同じ方向を見る

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 『星の王子様』を書いたサン・テグジュペリのことばに、「愛とは見つめ合うことではなく、ふたりが同じ方向を見つめることである」というものがあります。結婚式に出ると、3回に1回くらいの頻度で新郎新婦どちらかの上司のスピーチに登場してくる、あれ(笑)。

そういえば、日本の夫婦や家族を描いた傑作といわれる小津安二郎監督の『東京物語』などを観ていると、老いた夫婦の姿で印象に残るのは、海や町並みや、何かしらふたりで眺めている光景です。ただそれをふたりで眺める姿に、生きることの歓びも悲しみも切なさも、ふたりは共有しあっているのだということが静かに伝わってきます。

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 つまるところ、結婚は時間と生活の共有なのだと思います。
みんな自分の感覚を頼りに一人ひとり生きているのだけど、そこに共感や共有の感覚が加わると、生きることについての安心が生まれる。だれかのために、というほどの大仰なものは要らないけど、側にいてくれると落ち着く、安心するという感覚が、結局お互いを助けていくのではないでしょうか。

いっしょにいると楽しくて仕方ない。そういうものがあれば素晴らしいことだけど、そこまで強い感覚が生まれなくても、側にいると落ち着く、安心する、そういう感覚が芽生えれば大切にしていく。それも、婚活の大事なテーマといえるかもしれません。
ふたりの間で、時間とともに育っていく感覚はたしかにあります。

2014年3月 8日 10:54 長井 春美

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