適応と創造

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 先日読んだ古い脳科学の本に、いわゆる「人間の脳」である大脳新皮質は、人が「うまく生きていく」ことと、「よく生きていく」ために働いているのだと書かれていました。
うまく生きるというのは、環境に適応して生きるということで、よく生きるというのは、環境の中で自分を発現する創造行動だったかな、そういうちょっとむずかしいお話(笑)。

考えてみれば、“結婚”というのも、脳の役割と同じく、その本質は「生きていく」ための行為または行動なのですね。加えて、新たな生命をはぐくむ前提にもなること。
いまは、一定の年齢を過ぎても、親の庇護のもとで暮らす割合が多いので、「生きる」ことへの危機感をあまり覚えない半面、それは「生きる力」も削いでいる側面があるのかもしれません。それもたぶん、結婚しない人が増えている理由のひとつ。

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 生きるための結婚といいましたが、それは政略結婚とか、お金目当ての結婚といった話ではありません。助け合って暮らしていくという一般的なスタイルも当然、「生きるため」の結婚。
ふたりで暮らすという環境でうまく生きていくためには、実はフルに頭を使わなくてはいけないし、それ以上に、気も遣わなくてはいけない。
でも、そのような適応がうまく果たされたら、つぎにはそれをベースに、幸福な家庭をつくるという創造行動がまっています。よい夫婦に育てる、よい家庭をつくるというのは、新皮質の“使い甲斐”として、充分なものではないだろうかと私は思っています。

いまは、結婚生活への適応ということに苦しんだり、あるいは、トライする前に及び腰だったりする人が多いかなと思うのだけど、たとえば、充実感とか幸福感とか、「よく生きる」ことを求めるとき、結婚は大事な手段のひとつになるのではないだろうかと思っています。

2013年9月28日 14:54 長井 春美

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