父親不在

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 仕事柄ということもありますし、私たちの相談所の特性ということもあるのですが、それなりにたくさんの親世代のご夫婦にお会いします。入会への順序として、まず、ご夫婦か、どちらかの親御さんと面談して、それからご当人の了解があり入会という場合も少なくありません。

親御さんにも会う、息子さん、娘さんにも会うということを日々繰り返していて、近年の大きな傾向として感じることは、母親の価値観がいま、全体の価値観になっている家族がとても多いのではないだろうかということです。もしかするとそれは、発言権とか決定権にも及んでいるといってよいのかもしれません。

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 どういうときにそれを感じるかといえば、お母さんの言動がまったく生き写しのような娘さんを見る場合が多いし、母親の意向をつねづね気にかけている息子さんの様子を見ることもまた少なくありません。そういう傾向がよいことなのかどうなのか、私には判断がつきかねますが、たぶん育ちの過程で、父親の価値観にふれる機会が少なかったのだろうなと勝手に想像したりしています。

私たち世代の、ちょっと古い感覚といわれそうですが、女性には細部をきちんと見るすぐれた感覚がある一方、男性には大所高所に立って物事の全体像を見るすぐれた感覚がある。その両方の視点、感覚にふれて、子どもの感覚もバランスがとれたものになっていくと思うのです。
いまは何かしら、男の、父親の、子どもの人格形成についての不在を感じます。
若い世代に、もっと語ってあげてほしいなと思います。

2013年7月13日 11:06 長井 春美

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