夫婦の物さし

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 近年、結婚しない人がずいぶん増えてきて、そのことについての新聞やネットでの考察を見る機会も増えてきたのだけど、結婚を、メリット・デメリットの物さしで計る人がいまとても多いことに、少なからず驚いています。何に驚くかといえば、人間の関係性を損得勘定で計るという感覚。

人間の関係。夫婦。親子。友人。先輩後輩。同僚。師弟。このうちたとえば親子の関係など、親からみれば子どもはデメリットの塊。食費、小遣い、学費。就職までにいったいいくら必要なのかと頭を悩ませることはあっても、あなたを生み育てたおかげで、これだけ損をしたといちいち計算するような親はそうはいません。
私自身の親子関係の実感をいえば、子どもに、あなたがいてくれたおかげで救われたと感じたことが、いまはやりのことばでいえば、ハンパなくありました(笑)。笑い顔や泣き顔や感情の一切合切がいとおしく、みんな自分が生きるということの糧となる。

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 結婚というのは、親子のそれともまた違う、「あなたがいてくれて救われた」とか、「あなたがいるから頑張れる」とか、そういう心の支え合いをつくるいとなみなのだろうと思います。「あなたがいるから生活できる」という側面も、もちろんあるのだろうけど、それ以上に、ちょっとした笑顔が勇気をくれるとか、人と人のかかわりの他にはつくりえない感覚の結節点が、たぶん夫婦というものなのだろうと思っています。

自分の一切合切をみな与えて惜しくないという気持ちの積み重ねが、人間の幸福の総量なのではないのかな。自分が何かを得る、という感覚をいちど捨てて、この人に自分は何を与えられるか、与えるに値するかというところから結婚を見つめ直してみるのも、よい結婚への足がかりになるかもしれません。

2013年4月 6日 11:56 長井 春美

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