依存の対語

今日の写真

 つい先日も書いた生涯未婚率の大幅な増加のことにも関係して、いま、結婚しない、結婚しようとしない人がずいぶん増えていることの背景を、最近、私なりに、ずっと考えています。
出会う機会が少ないとか、生活環境が厳しいとか、もちろんそういう要素が若い人から結婚を遠ざけているとは思うのだけど、一方で、現在を生きる私たちに、「依存」という心が、自分たちが思う以上に深く根を張っているのじゃないだろうかと時折思ってみたりするのです。

今日の写真

 親に依存する、家族に依存する、社会に依存する。そういう心の強い人は、結婚においても相手に依存をしがちなのだけど、結婚とはつまるところ、互いに自立した男女が互いを支え合ってあらたな家族を築いていくいとなみですから、依存の近くにあるようで、実は依存のもっとも遠くにあるものです。「依存」の対語は「自立」あるいは「独立」です。
結婚は実は、依存を嫌います。
あの人は私にばかり多くを求めるけれども、自分はこういう努力をする、こういう生活をするという姿を見せてくれない。そういう思いが片方に、あるいは両方に募っては、お見合いも交際もうまくいくはずはありません。

見方を変えれば、与え合う関係が結婚なのですね。与えるためには、自分が何かをもっていなくてはいけない。それはもちろん物やお金の話ではないのだけど。

依存の関係は、充足とは遠いだろうけど、楽なのかもしれない。それが結婚しない人たちを増やしているのかなとも思います。もちろんそれぞれの事情はあることでしょうし、一概にはいえないのだろうけど、社会の全体像として、何かしら寂しさを感じることではあります。

2012年6月 9日 14:00 長井 春美

過去のコラム

back number