いつならいい?

 仕事柄というべきなのかどうなのか、結婚適齢期を迎えた子どもをもつお父さんお母さんと話をする機会がたくさんあります。
「いま」という時代、経済はたしかに良くなくて、将来の見通しが立ちにくいという実感は私にもあります。そのことと子どもの結婚を結びつけて話していると、こんなにも人間の感覚は極端に違っていくものなのだなと感じることが少なくありません。
つまり経済はよくない、明日が見通せないという現状認識はいっしょ。でも、ある両親は、「こんな時代に到底、もうひとりを養うことはできない。だから無理に結婚を勧めることはできない」といわれるし、また別の両親は、「こんな時代だから、だれかと結婚して、しっかりして、力を合わせて生きていってほしい」といわれる。そういう二通りの感覚がいませめぎ合っているように思えます。

そういう気分というのは、その息子や娘にもきちんと受けつがれていて、いまのままでは無理ですよね、とお父さんお母さんと同じことを話してくれたりします。
そういう両親や子どもたちに、「では、いつになったら見通しが立って、結婚について積極的に考えられるようになりますか」と聞くと、うーんと首を傾げてしばらく苦笑い。

私が共感するのはもちろん後者のご両親の感覚なのだけど、それ以上に結婚って、景気や給料やそういう外的な要因に、それほど左右されなくてはいけないものなのかなという気がします。
しかるべき経済的基準があって、そこに至らないと結婚できないというのではなくて、しかるべき基準まで二人で力を合わせる。経済的なことはともかくとしてそこに両方の親もいっしょに協力していく。そういうのが実は「家族」の基本のありようなんじゃないかと思ったりするのです。
大事なのは、どのような時代であろうと、力を合わせてしっかり生きていけと伝える親の意志なのだと思うけど、どうなのでしょう。時代に対する愚痴を共有するだけではなくてね。

2012年3月10日 11:00 長井 春美

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