生かし合う関係

 前回ふれた「第14回出生動向基本調査」(国立社会保障・人口問題研究所)の内容について、今回もほんのちょっとだけ話していきたいと思っています。

この調査結果にはいくつか驚くことがありました。たとえば、未婚男性の6割、未婚女性の5割にいま現在、交際中の異性がいないこと。そして、そのうちの4割強が、あえて恋人がほしいとは思っていないこと。あくまで数字上の話なのだけど、恋人がほしいのに得られないという人は、実は案外少ないということにもなります。

恋人の有無でなく、結婚についての希望では、でも、9割ほどの人が、いずれは結婚したいと考えています。こういう数値だけを眺めていると、いまの未婚の男女たちは、一般的には結婚の前段階にあたる「交際」の段階をはしょって結婚したいと考えているのかなと思えなくもない。もしかするとそこには、現在の「婚活」の動向も影響しているのでしょうか。結婚相談所は、結婚へまっすぐに向かっていく機関ではあるけれども、ここでも大切なのは、やっぱり出会ってから結婚へといたる「交際」のあり方なのだけど。

何とはなくの印象ですが、現代の若い人たちの「人見知り」であったり、シャイな気分を感じさせる調査結果ではありました。

結婚についての思いでは、「資金の不足」を障害に感じている人たちの増加が、調査結果の特徴として取り上げられていました。当たり前の話なのだけど、個のいとなみである結婚も、社会の情勢と無縁ではいられないということなのでしょう。その一方で、周辺の環境が整わなければ一歩前に踏み出せない、若い世代の何かしらひ弱いものを感じさせる数字であるのかもしれません。

こうした数字や分析された文章を読みながら、私が感じるのは、資金の不足はもちろん不安だろうけど、足りなければ二人で積み上げればいいのじゃないかなということ。

もちろんお金のことだけではなくて、二人の人間がひとつになって生まれてくる力というのはたしかにあって、それが、それぞれを人生のつぎの段階に進むことを可能にする。そういうことが本来の結婚の意味だと、私は考え感じてもいるのです。

ひとりで自信が得られなければ、二人で二人の自信をつくればいい。ちょっときつい言い方に感じられるかもしれないけど、高いハードルの前にしゃがんだままで、跳べない言い訳ばかり考えているような、そういう気分を感じてしまうのです。

もちろん、若い人たち全般に、というほどの意味だけど。

2012年1月 7日 15:55 長井 春美

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