気づきの瞬間

 先日、これまでとは少し毛色の違う講演会に講師として招かれ、現在の婚活事情について話してきました。
毛色が違うというのは、お話をする対象の方が、みなさん年配の方々。ちょうど婚活最中の方のお父さん、お母さんの年齢に相当する人たちでした。
ある程度年齢のいった息子や娘にいつまでも結婚の気配がない。講演会はそういう声が募っているのを聞いたとある団体が企画された催しでした。
講演の内容をここでくわしく書くことはできませんが、私は、子どもを結婚に導くには、いまは親の意識改革が必要ですというようなお話をしたと記憶しています。

意識改革とは何かといえば、まず知ることなのだろうなと私は思っています。
たぶんまだ記憶に新しいことだと思いますが、先頃発表された第14回出生動向基本調査(国立社会保障・人口問題研究所)は、未婚男性の6割、未婚女性の5割が現在、交際する異性をもっていないことを明らかにして話題を呼びました。5年前の同じ調査では、恋人のいない未婚男性は5割、女性は4割5分という値でしたから、若い世代の「恋人離れ」はほんとうに凄まじい勢いで進行していることになります。その数値は当然、今後の結婚率にも反映されていくことでしょう。
この調査でもうひとつ驚いたことは、恋人のいない未婚男女のおよそ半分が、そもそも恋人がほしいという欲求をもっていないということでした。

もちろん未婚と一口にいっても、みんな状況も、境遇も、価値観も違います。それをあえて顧みずに若い世代の現況をいえば、婚活は簡単にできるが、交際や結婚は簡単にはできないという様子が浮かび上がってきます。
まず出会いがない。時間もない。先の調査の数値にも表れているように、出会いを自らつくるという意志的なものも、以前に比べれば全体として希薄になってます。それが交際や結婚を遠ざけている要因となっているのでしょう。
そして、実はその認識をお父さんやお母さんも共有していくことが、いまはかつてなく大事なことなのだろうと思っています。
結婚について自分の時代感覚で子どもに向き合うのでなく、現代の時代感覚を共有して、親子で心を開いて語り合ってほしいのです。厳しい状況に気づくのはどちらが先でもかまいません。まず気づくことが大事だと私は思っています。

2011年12月17日 15:03 長井 春美

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