聞くこと

 ちょっと前に出版された『婚活レシピ』という本にも書いたことなのですが、お見合いや、その後の交際がうまくいかなくなる理由として、「会話が成り立ちません」と話す人が最近少なくありません。
 気がつけばこの人、自分のことばかり話している。ぼくの話、わたしの話など、どうでもいいの? という感じかな。


 いうまでもないことなのだけど、会話は「聞く」と「話す」で成り立っています。そしてそのベースは、「聞く」ことにあるのじゃないかなと私は思ったりします。「傾聴」という言葉があり、介護や看護の世界でよく使われるようですが、お年寄りや重い病気を抱えた人の話を親身に聞くことが、話す人の心の癒しや、そしてときには病気の改善にもつうじる。それはそして、老いや病気ということを離れても、すべての人につうじる話なのではないのでしょうか。
 交際について、いまちょっと悩みを抱えているんだ、という人とのカウンセリングの場で、彼(彼女)は思いの丈を延々と述べる。私はそれを真剣に聞きながら、うんうんと頷き、ときおり、「そうかあ」と合いの手を打つ。これという手立てがいまあるわけでもなく、いっしょに首をかしげて悩んでいると、そのうち彼は、「やっぱりこうした方がいいですね」と自分で答えを導き出す。みんな答えは自分の内に持っている(笑)。私は、「そう。そう決めたのなら、ともかくやってみようよ」と励ますだけ。
 カウンセラーは楽な仕事だなんて、思わないでくださいね。大変な仕事とは思わないけど、お相手の話に自分の全思考、ときに全人格を預けてしまうような真剣さがもちろん要ります。
 
 と、ちょっと話がそれたけど、自分がどれほど素敵な人間なのか懸命に話すことだけが、アピールではないのです。人の話を懸命に聞く。そのことが実は何もしゃべらなくて、あなたという人の素晴らしさをお相手に伝えている。そのことに気づいてほしいのです。
    

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2010年9月 4日 11:49 長井 春美

結婚して何が変わるのか

 結婚して、いったい何が変わるのか。
 なんて、ものすごく大げさなタイトルをつけてしまいましたが(笑)、絶対的に何かが変わるとはじめから決めつけている人がきっと多いのだろうなと思います。
 もちろん状況は変わる。これはまちがいなく変わります。ひとりが二人になります。その変化、ときに違和感はまちがいなく大きくて、その違和感を少しずつ安心感に変えていくのが結婚生活というものなのかなと思ったりします。
 ひとりでなくそれまで家族と暮らしていた人も、家庭における役割、仕事が変わります。


 でもね、結婚しても、なかなか変わらないものがある。それはあなた自身です。
 怒りっぽい人が結婚したからといって、温厚な人に変われるわけでもない。
 まわりの人に依存するところの多い人は、それまでの家族への依存が結婚する相手への依存に変わるだけなんてこともある。まわりに不足を持ちやすい人は、その不足を結婚生活に向けることにもなってしまう。人間は生活の変化で、人格までそう劇的に変われるものでもありません。そうなりたいという幻想はあっても、変わりにくい自分が徐々に顔を出し、気がつけばもとの自分のままで生活している。結婚の熱が冷めた頃に起こりがちないくつかのいざこざは、顔を覗かせはじめた「自分」と「自分」のぶつかり合いだったりします。

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 「わたし」という人間を持ち越したまま、わたしたちは結婚生活に臨むことになります。
 そこにはちょっとした覚悟みたいなものが必要なのじゃないかな。結婚で「変わる」のを待つのじゃなくて、結婚で自分を「変える」というような。
「婚活」は結婚のお相手を探す活動期間という意味なのだろうけど、わたし自身は、いまの自分が、自分や家族以外のだれかと暮らして、互いを尊重してよい生活を築ける人間なのかどうなのか、そのことを自分なりに考え気づいていく機会なのじゃないかなと思っています。思っている、ではなくて、そうあってほしいと願っている、かな(笑)。
 何より、よい結婚のための「婚活」であってほしいのです。

2010年8月28日 12:25 長井 春美

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