
長く人と人をつなぐ仕事をしていますと、その仕事を容易にしてくれる方、つまり交際や結婚に向けてとんとん拍子にすすまれていく方たちに一定のパターンが見えてくるものです。
それはまず、“ポジティブ”であること。
ポジティブといえば、積極的に出会いの機会をもとうとし、出会ってからも互いを知ることに前向きな行動力がまっ先に浮かんできますが、もちろんそれも大切なこととして、でも、もっと重要なのは、相手の方を見る目が前向きであるか、そうでないかというそのことではないだろうかと私は思っています。
私たちブライズアカデミーには、近畿圏に男女それぞれ約500名、あわせて1000名ほどの方がつねに在籍されています。女性の方なら、500名の男性が出逢いの対象となり、そこから種々のご希望や条件に照らして、自分にふさわしい男性を探していくというシステムです。
1000という数字は決して小さいものではありません。中学や高校なら全校生徒数といってよい数でしょうから、条件面やお人柄について比較的ハードルの高い入会の要件を設けているとはいえ、皆さんの性格やものの見方は、文字どおり千差万別です。
入会の手続きを終えられ、お出会いの対象となる方々のお顔や現在の状況を一覧にした冊子をはじめてご覧になる。そこで発せられる言葉も実に千差万別です。
たいていの方はまず困惑気味の顔を私たちに向けられるのですが、その困った顔は同じでも、困った顔を浮かべる理由が千差万別なのです。
「素敵な方ばかりなのですね。ここから選んでいくなんて困ってしまう」という方もいらっしゃれば、「ずいぶん期待してきたのですけど、他の会社とそう変わらないし、これという方がなかなか見あたりそうにありません」と正直におっしゃる方もあります。
同じ数の、同じ方々のプロフィールをざっと眺めるだけでも、これだけの印象の違いが生まれてくる。その根っこにあるのは、たぶんものの見方、人の見方が前向きか後ろ向きかというそのことの違いにあるような気がします。もっと分かりやすくいえば、人の良いところを見るのか、悪いところをみるのかの違いといってもよいかもしれません。
こうした違いは、写真やデータ上のことでなく、出会いためのパーティーなど、人と人が直接にふれ合う機会になると、もっと顕著に表れてくるものです。そしてどういうものか、知り合ったお相手をポジティブに、つまり良いところを積極的に見ようとする方は、相手の方からも好印象を得やすいのです。
考えてみると、これはごくごく自然の道理というもので、とくに男女の交際ということに限らなくても、人間とはだれでも、自分に好意を抱いてくれる人には、無意識のうちに好感をもつものです。そして相手の方も、彼なり彼女なりの、良いところを探そうとする。気がつけばとんとん拍子にうち解けあって、交際がすすんでいくということが少なくありません。
もちろん、とんとん拍子に出会いや交際が進まないからといって焦る必要はありません。出会いを探してみる、人と会ってみる、というそのこと自体が、自分や人の見方を育てていく大切な作業だと思うからです。
人生は点ではなく、線でかたちづくられていくもの。結婚はゴールではなく、新しい歩みのはじまりです。どのような思いでこの人をパートナーに選んだのかという結婚に至るまでの心の軌跡が、以降の歩みにも大きく影響をしてくる。とすれば、いま足踏みをしているように感じられるそのことが、あとできっと人生のよい糧として生きてくるものなのでしょう。
人と人の間を美しく見よう、と詩(うた)われたのは、たしか詩人の八木重吉さんだったと記憶していますが、男性と女性が知り合い結ばれていく、そのときだけに特別な人と人のかかわりがあるのではなく、人と人が心を開き理解しあっていくすべての人間関係の基本に、相手を良く見る、美しく見ることが大切だということなのでしょう。
私たちのような出逢いの機関を利用されていない方々でも、どうしてわが子は縁遠いのだろうとご心配のご両親には、お子さまのことを心配される前に、自分は前向きに、美しく人を見ようとしているだろうか、というそのことを、ちょっと見つめ直していただけたらと思います。子は親の鑑とは、何も小さい子どもだけに言える話ではないのかもしれません。
(株)ブライズアカデミー スーパーバイザー/支社長
長井 春美


























