はんぶんこの幸せ

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 ついこのあいだ、テレビだったかラジオだったかよく覚えていませんが、〈はんぶんこ〉という言葉が耳に飛び込んできて、ふと懐かしい気持ちに誘われました。最近あまり聞かないな、はんぶんこ。

親子の関係性の中で、〈はんぶんこ〉はあまりぴんときません。モノがひとつしか無ければ、それはみんな子どもに与えたいと思うのが、親の感覚。子どもにすれば、それは当然、真っ先に自分が与えられるものだと思い込んでいる……(笑)。もっとも近年は、かつては当たり前に感じられていたそのような親の感覚、親性の衰退が、統計上からも明らかになっているようですが。

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 〈はんぶんこ〉がとてもぴんとくるのが、私は夫婦の感覚ではないだろうかと思います。あんパンでもリンゴでも、モノは何でもかまわないのだけど、ひとつしか無いものを分け合って、何とはなく幸福観を覚える。半分しか食べられないけど、ひとりで食べるときより、美味しいような気がする。そういう感じでしょうか。

いまは、結婚することに消極的な理由として、自分の時間やお金を自由に使いたいことを挙げる人が多いとききます。そして結婚に積極的な人でも、お相手から得ることばかりを考えている人も、決して少なくないと感じます。〈はんぶんこ〉のよろこびからは、ちょっと遠い感覚かもしれないなと思います。それはあくまで私の思いだけど。

よい〈はんぶんこ〉のお相手を得ることができれば、人生を生きるということにつきまとう痛みも不安もはんぶんこできるのにと思います。

2014年10月25日 10:50 長井 春美

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